スペシャル対談 – 未来を担う若い力(パワー)

創立60周年
西田義則社長×若手社員 スペシャル対談
<テーマ:それぞれが思い描く会社の未来像や自身の夢、目標>

 


大成ロテック株式会社は1961年6月の設立以来、今年で60周年を迎えます。そこで60周年を記念し、各部門を担う若手社員8名と西田義則社長のスペシャル対談を企画しました。テーマは、それぞれが思い描く会社の未来像や自身の夢、目標です。当日は当社の将来技術の開発を担う技術研究所の島崎勝所長も加わり、活発で有意義な意見交換が行われました。

西田「今日は忙しい中、集まっていただきありがとうございます。会社にとって人材は宝であり、特に若い力は夢と未来そのものです。今日は皆さんの率直な意見を聞き、そのパワーをぜひ会社に分け与えてもらいたいと楽しみにしてきました」

 

島崎「では順番に、当社の未来についてのビジョンやそのために成すべきこと、個人の目標などを聞かせてください」

 

ティンザーウイントウ
2018年入社 ミャンマー出身。
さいたま工事事務所を経て現在は新東名高速道路工事事務所にて伊勢原北IC~秦野IC間の舗装工事を担当

ティンザー「現代社会ではICT(※情報通信技術)が高度に発達して今や私たちの生活の要となっています。建設現場や土木工事においても同様で、生産性を向上させ、魅力ある現場を目指すにはICTが不可欠だと考えます。ICT化のメリットは、トンネルや橋梁などの距離が長い現場で出来形測量をする際に1人で出来るし、日数も少なくて済みます。今後はさらに設計図や工事完成図のほか、施行や検査に3次元データを用い、ICT技術の全面的活用を目指したいです。私の将来の目標は、情報通信技術を活かした工事支援業務のエキスパートとして道路づくりを行い、当社の理念にある“人のためのより良い環境を創造する”ことです」

西田「いわゆるデジタルトランスフォーメーション(※DX)によって省力化を進め、労働環境をより良くすることは工事の安全にもつながるし、今後とても重要ですね。ぜひどんどん推進をお願いします」

島崎「会社としてもICTを活用し、2025年を目標にアスファルト舗装の完全自動化を目指しています。ぜひ情報を共有し、一緒に頑張りましょう」

河村 怜子
2019入社
営業担当として配属後、現場を知りたいと2020年秋より
さいたま工事事務所にて工事を担当

河村「私の考える当社の未来へのビジョンですが、年々激しさを増す受注競争に勝つには、様々な面でいかに他社と差別化できるか、が重要だと考えます。そのためにはICT技術の活用で工事の施工性を高めたり、社内の各部署の連携を強め、他社より低予算で高品質なものを造る必要があると思います。さらに新しい舗装材の開発や建築部門の拡大など幅広い分野で業績を伸ばし、業界ナンバーワンを目指す会社であってほしいです。自分自身の目標としては、当初営業担当で入社したのですが現場のことも覚えたい、との思いがあり、昨年秋からさいたま工事事務所で工事担当をしています。文系出身で専門的に学んだわけではなく、まだまだ未熟で重機や工法、材料などについて日々覚えながら施工管理を学んでいる最中です」

西田「やる気と熱意があれば文系も理系も関係なく、大事なのは経験だと思うんです。工事の質を高めるには現場の人の資格取得も大切ですから、会社としてバックアップを推進していこうと思っています。また、お2人には女性としての立場から、処遇など会社に対する意見をどんどん発信してもらいたいですね」

緒方 大貴
2018年入社
さいたま工事事務所にて管理担当として業務を行う

緒方「まず、今回事前に技術研究所の寄稿文を拝見したのですが、脱炭素社会の実現に向けての取り組みで、当社がすでに“木から造る舗装”の施工実績があることを知りました。他社に先駆け、いち早く世界初の技術を開発したことにとても誇らしさを感じます。当社の未来像に関しては、人手不足問題への不安があります。激務化や残業時間が多いままだと離職や若い働き手を確保できないなど、さらなる悪循環を招くことになります。それを断ち切るには業界を挙げての働き方改革を推進する必要があり、当社がリードしていくべきだと考えます」

西田「人手不足と離職率の高さは、本当に切実で悩ましい問題ですよね。私は現在日本道路建設業協会の会長をやらせてもらっています。国交省など国の機関と意見交換をする機会も多いので、折に触れて問題提起を行うつもりです。皆さんにもぜひ、解決のための具体的な提案をしていただければと思います」

島崎「管理担当だけでなく、他の部署の人もそうですが、興味があれば2~3年技術研究所に来て働いてもらうのも可能です。当社が未来に向けてどんな研究をしているのかを知ってもらい、それを将来自分の部署に生かすのも有意義だと思いますよ」

上條 大樹
2017年入社
2021年3月まで東北支社の工事担当として勤務。
同年4月より人事部に配属され採用業務を行う

上條「私はこの3月まで技術系社員として工事担当でしたが、4月からは人事部に配属となりました。そこで現場と管理部門、双方の立場から会社の未来を考えてみました。新型コロナウイルスの流行により、会議や打ち合わせはなるべく対面を避け、WEB会議が主流になりつつあります。一方の現場ではマスク着用での作業となりますが、作業をする人は苦しくて大変です。そこで、これらを克服する工事の未来像を考えました。キーワードは“在宅での現場管理”と“マルチ防護服”です。現在5Gの普及によってほとんど遅延のない情報通信が可能で、遠隔カメラの活用によりリアルタイムで現場の状況を把握することができます。そう遠くない将来には建設業キャリアアップシステムによる入場管理や、グリーンサイトの利用で安全書類の管理負荷が減るなど、書類管理の在宅化は十分可能で現実化しつつあります。一方で遠隔からの機械操作技術はまだ確立していないため、今後の技術の進歩に期待したいところです。マルチ防護服は新型コロナウイルスの飛散防止と回転工具による事故を防止するために考案したものです。これら両方の機能を併せ持った、デザインと装着性のいいマルチ防護服を開発すれば、着用率も上がり、コロナ対策と事故防止双方に効果があると考えました。これらがスタンダードになれば、当社が業界ナンバーワンに近づく一助になると思います」


西田「いかに働きやすい環境を整備するかは、当社だけでなく業界全体の課題ですよね。それが実現できれば、やりがいは自然と生まれるでしょう。在宅での現場管理と分業化は素晴らしい着目点だと思います。マルチ防護服の開発にも、ぜひ携わってください」

島崎「マルチ防護服は非常に興味深いですね。ぜひ技術研究所と情報交換して、実現に向けて知恵を貸してください」

谷口 翔也
2017年入社。
東京青海合材工場において製品販売を担当

谷口「私が会社の将来像の中で急務と感じるのは、若手社員の育成です。近年、IT技術の急速な発展や従来にはない働き方の変化には驚くべきものがあります。しかしどんなに世の中が変化し、リモート技術が進化したとしても、根底にあるのは人と人のつながりであり、その重要性は変わることがないと信じています。入社以来東京青海合材工場に配属され、4年となります。ここ2年で後輩社員ができ、質問を受ける機会も増えました。そこで後輩と接する際、意識しているのが“成功よりも失敗談を多く語る”ことと、“まずは自分でトライさせる”という2点です。失敗談を話すのは、私と似た状況に陥る前にどうすればいいのか、防止策を自ら考えるきっかけにしてもらいたいという観点からです。まずは自らの手で取りかかってもらうのは、指示されたことを行うだけでは責任感や達成感が薄くなってしまうためです。失敗してもいいから自分で考えて動くことで、良いことも悪いことも自らの糧にしてほしい。今後は先輩方が築き上げてくださった歴史を守りつつ、私たち若手社員が成長して会社の屋台骨となり、積み上げたものを次世代に受け継いでいく所存です」

西田「人とのつながりの大切さ、そして先輩が後輩の面倒を見て育てること。これはいつの時代も重要ですね。失敗談や成功例を伝えることの大切さもわかります。これをデータベース化して、全社員で共有、検索できるシステムを導入してもいいかもしれませんね」

 

門田 峻
2017年入社
横浜工事事務所の工事担当として、現在小田原地区での宅地造成に携わる

門田「私が道路建設業界に興味を持ったのは東日本大震災で、道路の復旧が人々の暮らしを支える大きな存在になっていると知ったのがきっかけです。そして故郷札幌を災害から守りたい、という思いから入社しました。すべての施工にこだわりと誇りを持ち、高品質なものを届ける。この気持ちこそが自身の成長と会社の評価につながるのだ、そのため頑張ろうとあらためて思いました。当社の技術研究所ではスマートシティや給電舗装、木から造る舗装など、将来を見据えた研究がなされていますが、どれも“世のため人のため”に考えられ、必要とされる技術です。これらを筆頭に、最先端技術の先駆者として道路業界を引っ張るのが、当社の使命であると考えます。

同時に、人と人のつながりやコミュニケーションを大切にしていることが、当社の大きな魅力だと思います。ある上司は夜間の舗装工事のあとに2人でうどんを食べに行くのが恒例でしたが、帰り際にいつも“明日も頑張ろう!”と声をかけてくれました。これだけで、つらい仕事にも向き合おうと前向きになれる、魔法の言葉でした。今年4月に赴任した横浜の新所長は、私が多くの仕事を抱えて悩んでいた時、真っ先に現場に駆け付け、声をかけてくれました。些細なことですが、これだけで若手社員は不安が薄れ、頑張れるものです。将来の担い手である若い社員を大切にし、正しく育てられる人がいる。これは会社にとって大きな財産であり、その姿を見習って我々もその文化を継承していかなければ、と強く感じます」

西田「東日本大震災で福島第一原発が爆発したあと、そこに至る道路を啓開するために真っ先に現場に入ったのが実は当社で、私も陣頭指揮に立ちました。まさに世のため人のために、先輩たちが力を尽くしたわけです。このことは、皆さんの胸に誇りとしてしっかりと刻んでほしいですね。そして頼りになる先輩や上司に巡り合えたことは、とてもうれしいエピソードですね。皆さんもぜひ、そんな先輩であってほしいと思います」

チャンタンニャット
2019年入社 ベトナム出身。
技術研究所においてアスファルト混合物の新材料や施工技術の研究開発に従事

チャンタンニャット「私の考える当社の未来像は、道路舗装業界のリーディングカンパニーとして国内だけでなく海外でも社会基盤の整備に携わり、グローバルな活躍をすることです。すでに当社は積極的に外国籍の社員を採用し、多様な人材の活躍を推し進めています。将来はそれらの社員が日本で得た舗装技術の知識と経験を活かし、母国の持続的成長に貢献できると考えます。私自身、現在母国であるベトナムでの再生アスファルト混合物の製造技術の実用化業務に携わっています。ベトナム交通運輸局交通科学研究所と共に進めていますが、母国での業務に携われて充実しています。私の考える当社のビジョンは2つ。まずはベトナムにおいて再生アスファルト混合物の配合設計、アスファルト合材を製造する自社工場を設立すること。さらに、ベトナムでの成功を起点とし、他の東南アジア諸国へ事業展開を広げていくことです」


西田「東南アジアにとどまらず、将来は世界中に進出したいと考えています。それにはその国をよく知る人物の存在が不可欠です。そのモデルケースとして、ニャット君にはベトナムと日本の架け橋として活躍してもらい、ぜひプロジェクトを成功に導いてもらいたいと思っています」

 

岡島 穂高
2017年入社
技術研究所生産技術開発室において、新しいアスファルト混合物について研究開発を行う

岡島「私の考える当社の未来像は、研究開発力を起爆剤として利益を生み出せる会社、そして今以上に研究開発が活発で魅力あふれる会社になってほしい、と考えます。舗装技術が進歩する中、舗装に求められる機能、舗装が実現できる機能も多様化しています。そこで例えばカーボンニュートラルな舗装や発電・給電できる舗装、自己修復が可能な舗装など、今までにない高付加価値と様々なニーズに応えられる独自の技術を開発すれば、従来より高価でも採用され、高い利益率を実現できると考えます。そうなれば研究開発はさらに加速し、労働環境も良くなって会社の魅力アップにつながるはずです。同時に、多様な専門分野の社員が一体となって研究開発に取り組むことも重要だと考えます。当社は土木がメインなので構造力学や水理学、土質力学などに詳しい方が活躍しています。しかし舗装の持つ可能性を最大限に引き出すには、例えば情報工学や物質工学など、土木以外の専門知識も必要になるでしょう。土木に詳しい人材を中心に異分野に精通する社員が増え、一体となって専門知識の融合を行えば、他社にない研究開発ができ、今以上にオリジナリティのある所有技術を増やすことが出来ると考えます」

西田「新しいものを生み出すには、従来の知識だけでなく、異文化や異なる知識の融合がとても重要になるんですね。今後どんな新しい技術が結実するか、楽しみにしています」

 

西田「今回は若手社員の代表として8名の方の意見を聞かせていただきましたが、私が思っていた以上に皆さんが自分の将来や当社の未来に夢と期待を持って日々の業務にいそしんでくれているんだなと感心しました。また、真面目で素晴らしい発言で、大変参考になり、頼もしく思いました。今後もぜひ、会社に力を貸してください。夢を語り合うことは日々の活力にもつながり、とても大事だと思います。今後もこういった機会を作って、是非、また皆で語り合いましょう。今日は、本当にありがとう!」

 

 

出席者

西田 義則 代表取締役社長
島崎 勝 技術研究所長
ティンザーウイントウ 2018年入社 ミャンマー出身。
河村 怜子 2019年入社
緒方 大貴 2018年入社
上條 大樹 2017年入社
谷口 翔也 2017年入社
門田 峻 2017年入社
チャンタンニャット 2019年入社 ベトナム出身。
岡島 穂高 2017年入社

 

 

 

 

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創立60周年を迎えて

 2021年6月15日、当社は創立60周年を迎えました。

 これまでの長い道のりの中、「自然と社会と人に深くかかわる企業として、人々のためにより良い環境を創造する。」との企業理念を胸に当社は、持続的な成長を遂げてまいりました。当社はこれからも、「世のため、人のため」の企業として歩みを止めることなく、お得意先様の期待に応え、お取引先様との適正かつ健全な取引関係を築き、人の集う魅力ある企業として持続的成長を遂げてまいります。

 創立60周年を機に新たな挑戦への機運も高まり、本業である舗装土木の周辺事業としての建築事業、カーボンオフセットに貢献する中小水力発電事業、中国及びベトナムを中心とした海外事業、そして、脱炭素社会の実現に向けた新技術・新材料の開発及び事業や業務に革新をもたらすDXの推進など、新たな取り組みにも果敢に挑戦しています。そして、大成建設グループの創業者である大倉喜八郎翁の「責任と信用」・「進一層」の精神で「名実ともに業界№1」の企業を目指し、この先の10年、そしてその先の未来に向けて大きな飛躍を遂げてまいります。

 

お得意先様やお取引先様におかれましては、当社事業への一層のご指導とお力添えをお願い申し上げ、当社創立60周年記念における私のご挨拶とさせていただきます。

 

代表取締役社長
西田 義則

 

大成ロテックの歴史